英語を頑張って身につけて、なんとなく自分も「英語ができるひと」になってきたなと感じ始めた時、資格試験を受験してみようかなと考える学習者は多いと思います。そもそも、資格試験はその目標達成のゴールは「合格」と、非常に明確ですし、試験の時期も決まっていますから、目標とするにはちょうどいい存在ともいえるからです。
(このサイトの別の記事では英会話のための勉強と試験のための勉強は区別した方がいいですよと書きましたが、このくらいのレベルになればそもそも会話力はついているでしょうから、その点はあまり気にしなくてよくなっているはずです。↓↓↓)
そして、英語に自信がついてくると力試しをして客観的な評価が欲しくなったりしますから、中級から上級者に差し掛かったくらいのレベルの人はなおさら試験の最高級・スコアを目指してみたいという欲求が頭をもたげてくると思います。そうなると、シェイクスピアの例の台詞よろしく悩むのは今回の記事タイトルにした件ではないでしょうか。英語学習者が一つの理想とする到達点、英語資格の最高峰、「英検1級」を目指して勉強をするか、それともTOEICスコア900台を目指すか。
悩ましい問題ですよ、これは
そこで、今回はこのことについて私なりの意見を書いてみたいと思います。
英検1級を目指す方がおすすめな理由
結論から言ってしまうと、私が提案するのは英検1級を目指そうということです。ですので、今回の記事も英検1級を目指して勉強していくことのメリットを紹介する内容となっています。あくまで私の意見なので、まったく正反対のことを書いている人も少なくないと思いますが、体験談に基づいた一つの考え方として捉えてください。
私は、英検1級の勉強をしている間にTOEICも受験していましたから、片方の試験しか経験せずに英検をおすすめしているわけではありません。(ちなみにTOEICの方は、950まで到達したあと、英検に合格してしまったのでそれ以降受験していません)
英検1級の持つ「最大瞬間風速」の威力
英検取ってとくにメリットはないという人もいます。ですが、それは疑問です。
英検1級の方が認知度というか、与えるインパクトがずっと大きいと私は肌感覚で感じます。
英語力を見るための基準としてはTOEICがすっかりポピュラーな存在となりました。
ただ、英語学習に馴染みのない人たちにとっては、TOEICのスコアというのはあまりピンとこないんですよね。そもそも、満点がスコア990だというのを知らない人もたくさんいます。
さすがに大きな企業の採用の人がそれを知らないということはないでしょうが、そんなもんなんです。
一方、英検は少し違います。英検1級の配点がどうとか、細かいことは分からなくても、「英検1級」という言葉の響きが与えるインパクトって大きいんですね。
TOEICってのはどれくらいからがすごいのか、そういうことを知らない相手にも一発で伝わります。
一般的には英検1級っていえば無条件に英語できるんだなって思ってもらえる、いうなれば、「最大瞬間風速」が英検の方が遥かに上だと私自身の経験から感じます。
で、けっこうこれが人生において大きなチャンスへと導いてくれます。一発で、英語のできる人って認知してもらえますからね。まだまだ日本ではこれだけでアピールポイントになります。
TOEICの方がラクだからこそ後回しでいい
それに、TOEICは回数が多い。年に10回、ほぼ毎月のようにチャンスがあります。そして、「不合格」というものがない。
これが意味するのは、心理的にも学習戦略的にも余裕があるということです。
一方、英検は回数も少ない(年に3回)ですし、合否がありますから、試験に臨む際の緊張感が全然違います。腰を据えて、それなりの気構えで臨まなくては突破できない試験です。
ですから、優先順位としては1級を先にとるべきと私は思います。英検1級の方に注力して、学習の方向性も英検をターゲットに考えて対策をする。合間にTOEICを受ける、あるいは合格後に余力があればTOEICの990を狙っていく(私は、冒頭にも書いたように燃え尽きましたが)、これが戦略的にはいいんじゃないかなというのが私の意見です。これがこのサイトでわたしの体験談を色々紹介していく予定でいますが、独学で英検1級を取ることは十分可能です。本腰を入れて学ぶ必要はありますが、スクールに通わなくては他の受験生と同じ土俵にさえ立てないというタイプの試験では決してありませんからね。
英検1級のレベルに近づけばTOEICスコアもついてくるが逆はない
それに、英検1級のレベルまで到達すれば、自ずとTOEICのスコアは上がっていきます。
試験の性質が違うから英検の対策では足りない部分も出てくるには出てきますが、それはだいたい、試験の作りに対応した解答テクニックの部分です。そして、この解答テクニックというのは短期間で身に着くものなんです。
一方、逆は難しいと思います。英検1級の方が求められるスキルが多いんですよね。TOEICのように解法テクニックを覚えれば割と簡単にスコアを伸ばせると言う類の試験ではない、というのが私の感想です。
要するに、TOEICの勉強をしていて英検1級には合格できないけれど、英検1級の勉強をしていればTOEICのスコアは上がっていく。このことは断言できます。
英検1級は決してコスパの悪い試験ではない
あと、コスパの問題。これは受験料とかの話ではないですよ。受験料は、高いです。だから、英検1級はコスパの悪い資格試験とかいう人もいます。確かに、受験料などに着目していうならばコスパが悪い印象を受けるかもしれません。でも、実はコスパがいい試験です。これは、別の記事で持論を語っていますので、よろしければ併せてご覧ください。
さいごに
私が受験したころは、情報も教材も少なかったですから、独学で英検1級は、まあ、そこそこたいへんでした。ですから、これが10年くらい前であればうかつには勧められない試験でした。でも、今は違います。教材も増えていますし、合格者達がブログ等で情報発信していますから、ノウハウも充分に手に入るようになりました。ネットで無料の学習素材もたくさん見つけることが可能です。英検1級合格のチャンスは増えています。反面、幸いというべきか残念なことにというべきか、まだまだ英語ができる人は少ない日本、英検の価値は未だ高いままです。是非、臆せずに英検1級を狙って可能性を広げてほしいと思います。