英会話の練習と英語の勉強、あなたがあなたが目指すゴールはどっちですか。
今回の記事では、英会話のための勉強と試験のための英語学習ではどう違うのか例を挙げながら、二つを区別することの大切さについてお話しします。英会話の初心者で、効果が感じら得ないと言う方は、もしかすると試験用の英語学習になってしまっていることが原因かもしれませんよ。
二つの学習を区別しないとゴールが遠のいてしまうおそれ
あなたが英語を勉強する目的はなんですか?
英語が話せるようになること?それとも英検に合格することでしょうか?
言い換えれば、これは英語の勉強をしなければいけないのか、英会話の練習をするのかという問題です。英語の勉強を始める、あるいは英語の勉強をやり直そうと思った時、まず明確にした方がよいのはこの点です。ここをいっしょくたにしてしまうと、ゴールが遠のいてしまうことになりますからね。
なぜゴールが遠のいてしまうのか?それは、好ましい勉強の仕方が変わってくるからです。
例えば実力をはかるための代表資格である、英検、 これは総合的な英語力を判定することを謳っていますが、その対策としての勉強と英会話が得意になるための勉強は必ずし もイコールではありません。
例えば実力をはかるための代表資格である、英検、
モチベーションアップを目指したはずが、逆に挫折の原因に
英語ができるようになりたいな
英会話ペラペラなのはカッコいいし
よし、とりあえず英検○級を目指してみよう
意外にこういう風に考えてしまう人が多いんですよね。
勉強していて自分の実力を知りたい、あるいは、目標がないと張り合いがないから試験にチャレンジすることを決めて勉強する、これは悪いことではありません。
ただ、モチベーションアップのためと思って始めたことが、逆にモチベーション低下につながりかねないんです。
それは方向性が違うために遠回りとなってしまうおそれがあるからです。
特に初心者はこの二つをしっかり区別する方が上達が早い
中級者から上級者くらいになると、実はそこまで厳密に学習目的の峻別を図らなくても、問題がなくなってきます。英語という言語が「自分の言語」の一つとなってくるため、例えば単語の学習を例に挙げると、新しい単語でも割とすぐに自分のボキャブラリーにすることができるようになってきますから、どんな学習であっても一定の効果が出せるようになってくるんです。
ですが、初心者のうちはなかなかそうはいきません。この二つは別のものとしっかり意識して学習を進めていく方がはるかに大きな効果を得られやすいと思います。
ですが、初心者のうちはなかなかそうはいきません。この二つは別のものとしっかり意識して学習を進めていく方がはるかに大きな効果を得られやすいと思います。
英会話の勉強と試験のための英語学習はこんなに違う
あなたが、まだ英語の勉強の初心者の場合、あるいは英会話を始めてみようかなと思い立って間もない方である場合、英会話の勉強と試験のための勉強は違いそうなのはなんとなく分かるけど具体的にはピンとこないという状態かもしれません。
そこで、ここからはいくつかの例を挙げながらお話ししていきたいと思います。
読み書き学習の優先順位に注意
資格を取得しなくてはならないという事情があるなど、資格取得の優先順位が高いのでなければ、つまり、「英語で会話がしたい!」のであれば、読み書きの練習に時間を割くのは正しい方向性とはいえません。
確かに、読み書きも(やり方によっては)会話力アップのために有効ではあるんです。ただ、即効性ということだけを考えればこれは決しておすすめではありません。
人間が言葉を覚える過程を考えてください
あなたは日本語をどんなステップを踏んで覚えたのでしょう?
耳で聴いて真似をして話す、こうですよね。
要は、会話力を構成する要素は、リスニング力とスピーキング力から構成されている。
だからここに集中した方が結果に繋がりやすいのは当然です。
「自分は英会話の勉強をしているんだ」と思って勉強していても、実際の勉強内容は「試験寄り」になっていっているケースは案外多いので要注意です。
「話せるようになりたい」これがゴールなのに、例文集の例文をノートに読み書きしながら覚える。それだけをいつまでも続ける。実際にアウトプットする時間は割かない。
「話せるようになりたい」これがゴールなのに、例文集の例文をノートに読み書きしながら覚える。それだけをいつまでも続ける。実際にアウトプットする時間は割かない。
単語帳を使って単語だけを暗記する。今挙げたようなものも英会話の学習としては遠回りですからね。
一方、試験合格や資格取得となった場合、読み書き(ライティング、リーディング)の勉強は必須です。だから当然それに対応した勉強に時間を割かなくてはいけません。
単語や文法学習へのアプローチもこんなに違う
文法へのアプローチも英会話のためのものは試験勉強としてのそれとは違います。
英会話力アップのためにももちろん文法の勉強は必要です。よく学習しやすさを謳った英会話教材では「文法の知識はいらない!」をキャッチフレーズにしてとっつきやすさを演出しています。でも、しっかりとした英会話力をつけるなら文法力は必須です。ただ、試験対策よりも、より実戦力がつく学びかたをしていかなくてはなりません。
英会話のサイトなのに文法用語を羅列して構文の解説をしていたりするサイトも意外に多いんですよね。これは、本当に効率が悪すぎる、というか、まったくのムダです。
単語・語彙へのアプローチの仕方も異なります。
試験はどちらかというと「質より量」です。英検の上の方の級であったり、TOEICでハイスコアを目指そうとした場合、膨大な量の単語を覚えなくてはなりません。ただ、習熟の度合いは浅くてもいいんですよね。
語彙にはレベルがあるのをご存じですか?
レベルというのは難易度のことではありません。どのくらい使えるのか、というレベルのことです。別の機会に詳しく記事しようと思っていますが、とりあえずざっくり説明すると「パッと見て意味は分かる」なのか「会話の中で自由自在に使えるのか」といったようなことです(実際はもっと多くの段階に分かれています)。
いわば、量ではなく「質」の部分ですよね。
話を戻しましょう。試験の場合、自由自在に使いこなせる状態になっていなくても問題が解ければいいわけです。語彙にはただ正誤を判断したり、問題の肢を切るだけの力があれば合格にはたどり着けますからね。
反対に、会話の場合、それでは文字通りお話しになりません。英会話に関しても、単語をたくさん覚えることが上達のカギということをよく聞くかもしれませんが、ここも実は落とし穴です。それはあくまでも、上で書いた「使いこなせるレベル」の語彙にまで高められた場合だけですからね。
つまり、英会話の単語学習へのアプローチは「量より質」、試験対策としてのアプローチとは真逆なのです。
試験では、英会話の実践力よりも戦術の方が重要なことも
また、試験は時間内に問題を処理するスキルが求められるものですから、戦術も考えて、それを実現するためのスキルも身につけていかなくてはなりませんよね。
例えば、時間配分だったり、解法テクニックだったり、そういったことの方が結果を出すためには重要だったりします。つまり、英会話の学習では必要とされないテクニックが試験勉強としての英語学習では求められてくる、ということもあるわけです。
まとめ
今回は、英会話の勉強と試験合格のための英語学習、これを比較しながら、二つを区別することで上達を早められるよというお話しをしました。勉強を頑張っていてもなかなか結果がついてこないと悩んでいる場合、それが目的にあった勉強なのか見直してみると突破口が開けるかもしれませんよ。