英検1級の語彙とリーディング対策は「にほんご」で?

英検1級の勉強法・攻略法

今回の記事では、日本語でもアンテナを高くしておくことが、英検1級の語彙とリーディングの攻略に間接的な効果をもたらしてくれる、というお話しです。英検1級で出題される専門性の高いテーマや難易度の高い語彙を、効率よく身につけるためにはどうアプローチしていけばいいのか、一つのヒントをご紹介します。

興味のない分野は日本語で読むのもキツイ

英検1級では、覚えなければならない語彙の量がとんでもなく多いというだけではなく、様々な分野に関する単語が出題されるというのが特徴です。ですから、量だけではなく、一定の分野に偏ることさまざまな分野の語彙をバランスよく身につけていくことも求められます。でもこれは、言うは易しという感じで、実践するのはなかなかたいへんなことでした。

考えてみてください。日本語でだって、興味のない分野の記事を読むのは苦痛が伴うはずです。まず、拒絶反応を起こしますよね。そうなると、文章の内容は頭に入ってこなくなるはずです。もちろん、興味のある分野以外、専門分野以外の文章ということは、そこで使われている用語の意味が分からないですから、文章の内容が頭に入ってこないのは当たり前ということも言えますが、仮に良く読めば用語の意味が分かるとしても、抵抗感があるゆえに脳が情報を取り込まないことは珍しくありません。母語でもこういう状態に陥ってしまうのに、それを時間制限のある、緊張感のある試験時間の中で英語でうまく反応し処理することができるでしょうか。

日本語で知識・興味の幅を広げておくことでラクになる

私は英検1級を目指し始まって、上のことに気付いて以降、それまでよりも意識的に新聞を読むようにしました。

日本語で、です。

もちろん英字新聞など英文に触れる機会は積極的に持つようにしていましたが、日本語で知識の範囲、興味の対象を増やすこともしていました。ニュースも積極的に見ました。興味のある分野・専門分野以外の本も手に取るようにしました。

このことで得られる効果は3つあります。

母語であらかじめ馴染んでおくことの効果

日本語で幅広い分野の文章やニュース等に触れて、興味のある分野を増やしておくこと、そして知識の幅を広げておくことは次のようなメリットがあります。

▲拒否反応が起きにくい
▲推測が容易になる
▲語彙の獲得・定着にも役立つ

一つは拒否反応が起きにくい、拒絶感を感じにくいということです。英検1級の長文はあの分量です。ページを開いてあの長文が目に飛び込んできたら、多くの受験生はまず腰が引けます。気持ちが萎縮してしまうのです。そして、文章のテーマを目にして、それがまったく馴染みのない分野であることに気付いたら……戦意喪失してしまうか、文章が頭に入ってこない状態になる可能性があります。

逆にいえば、少しでも馴染みのあるテーマであれば、そこで心理的にものすごくラクになるのです。そして、試験ではそれが大きなアドバンテージとなります。当然、問題文はきちんと目に入ってくるでしょう。

二つ目は、「推測できる」ということです。日本語ですでに触れていた分野で前提となる知識がある場合、長文は理解しやすくなります。仮に知らない単語だらけであった場合や、文法知識が足りずに、文の前後関係があいまいであったとしても、前提知識がある場合、推察しながら読み進めることができます。
ですから、興味のある分野を増やし、それについての知識を増やすということも英検1級の対策として有効なものになります。

そして、最後は、日本語でさまざまな分野の文章に触れた際、めんどくさがらずにやってほしいのは、英語ではなんというのかその都度確認することです。新しいニュースや流行と共に日々新しい用語は生まれています。なんでも、「これは英語でなんていうんだろう」と疑問に持つことで、これらをいち早く自分の語彙にすることができるようになります。
これを習慣にすることです。
そんな風に、ふとした興味をきっかけとして、自分で調べ、そこで知った単語というのは忘れにくいです。加速度的に使える語彙は増えていきます。

英文を読んで知らない単語の意味を辞書で調べて、というのが一般的なリーディングの勉強法だと思います。ここでは、日本語で読んで、あるいはニュースを観て、そこで出てきた言葉を英語に直してみる、ということです。
すぐに適切な英単語が思い浮かばなければ、辞書を引く、こうして新たな用語を覚えていくのです。

ちなみに、これは別に、「英語をいったん日本語に変換して考える」ということとはまったく関係ありませんよ!これをやることで、上のような悪いクセがついてしまうなんてことはありません。
英文を通して新しい「未知の単語」を見つけ、英英辞書で意味を調べなければ英語で考える回路は作られない、というわけではないですからね。なんでも、「母語でも有していない語彙は外国語でも自分の語彙にはならない」のだそうです。日本語の語彙もどんどん増やしていくことが英語の語彙習得も容易にするのですね。

習慣にするためには勉強と捉えないのがポイント

ポイントはこれを「勉強とは」捉えないことです。これを勉強と捉えてしまうと、やるべきことが増えたという感覚になって拒否反応が起きやすくなりますからね。
あくまで、興味の幅を広げるという好奇心に基づいた行動であることが大切です。

まとめ

英検1級に挑戦すると決めたなら、日本語でも幅広い分野のニュース記事等に触れ、その分野に対するアレルギーをなくし、知識を増やしておきましょう。そして、その際に英語ではなんというのか確認することを習慣化することによって忘れにくい語彙の習得まで可能になります。

タイトルとURLをコピーしました