英検1級の受験回数は多いほどいい?~戦術会得の場としての本試験~

英検1級

難関試験である英検1級、1回で突破するのは厳しい試験ではありますが、
1回で受かるぞという気概を持って臨むのは良いことです。
ただ、「受かりそうになってから受験する」、というのは1級の攻略方法としては間違っていると私は考えています。
今回はそんなお話しです。勉強を始めてみたけど、受験するのはもう少し経ってからにしようかなあ、あなたがもしこんな風に考えているのなら是非読んでもらいたい記事です。

英検1級対策で最もお金をかけるなら受験料

あなたは英検1級合格を目指すと決心をしました。手元には勉強のために使えるお金がある。どういう優先順位で使いますか?模試でしょうか?対策講座?
英検1級対策で最もお金をかけるべき部分はどこでしょうね。この問に対する私の答えは決まっています。

それはズバリ、受験料です。

私は自信を持ってそう断言します。

模試でもなく、教材でもない。まず受験してみる。そして、受かるまで休まずに本試験を受験をすることが大切だよ、ということです。

もしかするとあなたは、しっかり勉強をして合格できそうという自信が持ててから受験しようと思っているかもしれません。
模試をたくさん受けて、一発合格を目指そうと考えている人もいるでしょうね。

しかし、私の意見ではどれも反対です。

受験生の心情としてはできるだけ少ない受験回数で受かりたいものです。たしかに、英検1級に一発合格しました!というのはカッコいい。そして本当にスゴイ。

逆に、不合格通知はできるだけ受け取りたくないですね。まあ、当たり前ですが。
何度も不合格が続くとほんと、テンションが下がります。私は受け始めて2回3回目くらいまでは、合否を知らせるハガキを開くたびに「不合格C」でしたから、もう最初の頃は受験と「がっかり」はセットです。

しかし、これはもう割り切ってください。

 

英検1級合格、最高の教材は「受験すること」

英検1級に合格するんだ!と決意したら、一刻も早く、(模試ではなく)実際に試験を受けましょう。合格レベルがまだ遥か遠くても、まずは直近のテストに申し込み、出願したならば試験日に向けてとにかく必死で勉強する。そして試験には全力でぶつかる。

それによって得られるものは模試なんかよりはるかに多いと断言できます。まだ実力が足らないから、受験料がもったいない気がする。そのかわり対策講座を受けた方がいいのではないか、そう思う気持ちも良く分かります。しかし、受験料がもったいないという思いは捨ててほしいというのが私の意見です。

結局、受験に勝る「教材」はないんです。

もちろんこの受験に模試は含まれませんからね。模試を5回受けて実際の試験を1回受験するより、5回本試験を受験する方が遥かにあなたの力は伸びます。いや、スクールに通えば、あるいは模試をたくさん受けておけば1回の受験でいけるんじゃないのと思うかもしれませんが、残念ながら、難関試験というのはそうでもないんですね。結局自分で勉強しないと。語学力ってスキルですから、自分で繰り返して習熟度を高めていかないかぎり自分のものにはならないんです。そして、自分のものになった部分しか英検1級の試験では通用しません。

私の感想では、英検準1級までなら、付け焼き刃的なテクニックでもなんとかなってしまう部分があります。
英検1級ではそれはあり得ません。前の記事(独学で英検1級は可能か?)では、英検1級は戦術が大事だよというお話をしましたが、これは小手先の受験テクニックのことではありませんからね。ゆるぎない英語力が前提として必要なのです。

「ホンモノの英語力+本番での戦術=合格」という公式ですね。

そして、英語力の部分に関しては市販の教材を使用した十分身につきます。
というよりも、英検1級で要求される英語力を付けるには、たとえスクールに通おうが、「自習」なしに得ることはできないと私は思います。
独学で英検1級合格は可能か?で書いたように、英検1級のスクールの役割というのは「指針」を与えてくれるくらいのもの。

それ以上でもそれ以下でもありません。

独学で英検1級は可能か?短期合格は不可能なのか?~私の体験を踏まえてお話しします~
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あなたに合った戦術は試験会場でしか得られない

そして、戦術、これは実際に試験を受験する中で身につけていくのが最善の方法です。

今は戦術面に関して触れられているテキスト・教材も増えてはいるのですが、戦術というのは頭で理解するだけではどうにもならないのです。自転車の乗り方について書かれた本を読んでも自転車は乗れるようにならないように、自転車にまたがって転ぶうちに勘所がつかめてくるからです。

それだけではありません。教材が教えてくれる戦術というのは一般的なものにすぎません。すべての受験生に共通して役に立つような情報です。しかし、得意な部分苦手な部分というのは受験生一人ひとり異なります。

例えば、エッセイ(作文)には十分時間をかけられるように時間配分しようねというのが一般論としての戦術面でのアドバイスかもしれませんが、ライティングには絶対の自信がある人だっています。また、長文の速読が得意な人と語彙に自信がある人ではとるべき解答順も違ってきます。

誰かにとってはマズイ戦術も、あなたにとってベストな戦術ということがあるわけです。

こうしたことはスクールも参考書も教えてはくれません。あなた自身が発見していくしかないのです。それを発見できる場が試験会場です。

緊張していても語彙の問題は解けるけど、リスニングの問題は頭に入ってこないぞ……ということも本試験の緊張感の中で解答してみて分かってくるのです。

初めのうちは「戦術を試してくるぞ」「データを集めにいくぞ」くらいの感覚で臨んでもいいと思います。遠慮せずにガンガン受験しましょう。
さいわい、現在は「CSEスコア」が導入されましたから、不合格通知をもらった際もダメージオンリーではなくモチベーションも同時に得やすくなっていると思いますよ。

※この記事は、管理人が以前運営していた旧サイト(現在は閉鎖)より移行した記事に加筆修正したものです。

 

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